SGDASの斜面災害発生可能性推計手法の改良(要旨)
Proposed Improvements to the Method for Estimating the Probability of Landslides in SGDAS
著者
地理地殻活動研究センター 岩橋純子・遠藤涼
要旨及び本文
地震時地盤災害推計装置(SGDAS)の斜面災害発生可能性推計手法の改良を目的として,A)2026年5月現在運用中のSGDASの推計手法を保持した上で静的データを変更する案,B)全く新しい斜面崩壊推計手法に変更する案の2案について,250 mメッシュ推計震度分布図を用いた精度検証を行った.A案に関しては,地震時の斜面崩壊に対する脆弱性を考慮したゾーニングマップに基づく新たな脆弱地質マップへの差し替えは,精度向上の効果があることを確認した.一方,1 kmメッシュ推計震度分布図を用いた過去の検証では,地すべり推計スキームを組み込まない方が,精度が向上することが示唆されていたが,250 mメッシュ推計震度分布図を用いた事例では明らかではなかった.B案に関しては,既往地震の事例の集計結果を基に,ゾーニングマップの各ゾーンに対応する震度階/傾斜帯-発生可能性ランクのマトリックス表を作成した.このマトリックス表による推計結果は,検証した7地震の大半について,現在のSGDASの推計手法あるいはそれを改良したA案と比較しておおむね精度が向上し,最良ではないケースでも最適例との精度の差は小さいことがわかった.従って,B案の採用が適当と考えられるが,将来的なB案の実装時期については今後,検討を進めていく.その他,事前降雨に関する分析で,現時点では,事前降雨を重み付けとして取り入れるほどの明確な結果は得られなかった.
本文[PDF:3,232KB]
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