最終更新日:2024年7月2日

海陸一体のデジタル地形データ作成に関するケース・スタディ(要旨)

Case Study on Development of Sea-land Combined Digital Terrain Data

著者

地理地殻活動研究センター 岩橋純子
海上保安庁海洋情報部 松本良浩

要旨及び本文

 国土地理院は主に陸域,海上保安庁は海域について広範囲な地形データを保有している.火山活動や津波,活断層等の調査を行うためには,陸域から海底まで一体となった地形データが求められる事象が近年増えている.陸域と海域の地形データは,地形図及び海図での高さの基準や,プロダクトのDEMメッシュの投影法・座標系が一般に異なっており,中~高解像度のデータの接合に当たっては,ノウハウの蓄積が必要と考えられる.そこで中縮尺の等深線ベクトルデータ(コンター)が主体のデータから50mメッシュDEMを作成した場合(薩南地域)と,高密度点群データが主体のデータから5mメッシュDEMを作成した場合(石巻~相馬地域)についてケース・スタディを行った.海陸の地形データの高さ補正については,東京湾平均海面とその地域における平均水面の差が得られる地域ではその値を使って補正し,得られない地域ではその地域における平均水面を標高ゼロとして海域データを高さ補正することが適当であることが確認された.海陸一体のデジタル地形データを試作した石巻~相馬地域では,震災時の津波の影響を受けた沿岸地形の様子が5mメッシュDEMの陰影図から明瞭に観察された.また,GISを用いて海陸をまたぐ集水域や断面図,面積高度曲線等を作成することも可能であり,土砂の流入の見積もりや地理研究など,様々な目的に活用できると考えられる.今後も,海陸一体の地形データ作成を行うことは有意義である.

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、以下のページからダウンロードしてください。